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【灼熱レポート】佐賀の「肥前さが幕末維新博覧会」が予想以上に面白かった件

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帰省ついでに『肥前さが幕末維新博覧会』に行ってきた。

8月ももう残りわずか。ちびっこの皆さま。夏休みの自由研究はもう終わりましたか?!ってことでこんなギリギリになって自由研究テーマのご提案です。ただ、ここに来れば自由研究は一発解消!

先日、帰省ついでに地元九州は佐賀県で明治維新150年を記念して開催中の『肥前さが幕末維新博覧会』に(全部は回れませんでしたが)行ってきました。先に言っときます。

面白かったです!

幕末の大河ドラマは

『西郷どん』とか、

『花燃ゆ』とか、

『龍馬伝』とか、

薩長土肥の薩長土ばっかですが、幕末当時軍事・技術力は肥前佐賀藩が最強・ダントツだったんです。『西郷どん』で渡辺謙が演じる薩摩藩の島津斉彬公

「何じゃこのレンガはー!反射炉に使うレンガ一つ作れぬようでは、鉄の大砲などいつ出来るんじゃ!」

って言ってた頃には、佐賀藩の鍋島直正公はとっくに反射炉完成させて大砲作ってたんです。大河じゃ一切触れられてませんでしたけどね!

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関連記事:【号泣】佐賀県、大河ドラマに無視されすぎ問題

ペリー再訪に備えてお台場を増強する必要があった幕府は、佐賀藩へ鉄製大砲50門を発注。上野戦争で彰義隊を1日で陥落させたアームストロング砲もメイド・イン・SAGAです。

銀魂コラボご当地キャラ『佐賀春』くんがお出迎え

8月某日。一家四人(僕・妻・もうすぐ3歳と1歳の娘たち)ジリジリムンムンと太陽が照りつけるJR佐賀駅に到着。佐賀県は8月10日~9月17日まで人気漫画「銀魂」とコラボしてるらしく、定春くんならぬ佐賀春くんがお出迎えしてくれました。

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足元には、何故かお賽銭が。

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肥前さが幕末維新博覧会は佐賀市城内エリアのいくつかのパビリオンに別れて行われてますが、メインパビリオンの市村記念体育館までは佐賀駅から徒歩だと20分。

バスなら佐賀駅バスセンターから県庁前で下車して徒歩3分。

まぁまぁの距離です。数人で来るならタクシー乗って割り勘の方がいいんじゃないでしょうか。

仕事柄、今年すでに何度か行ったことがあるというウチの父の車に揺られてメインパビリオンへ。

博覧会メインパビリオン:幕末維新記念館

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おぉ!なんか立派!ググった時にはなかった反射炉もそびえ立っている!

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鉄製24ポンドカノン砲(複製)がお出迎え。

ちなみに、このメインパビリオン幕末維新記念館こと市村記念体育館は、佐賀県出身の実業家でRICHO(リコー)の創業者市村清によって寄贈されたもので、坂倉準三の設計です。

チケットを買って、いざ入場。

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子供連れにはキラキラシールをくれました。

 

中では、写真は撮れませんでしたが…。

・「幕末維新」体感シアター

大型ラウンドスクリーンで幕末佐賀の躍動を紹介。

・「技」からくり劇場

肥前の妖怪と言われた先進的な藩主・鍋島直正を生身のパフォーマンスと映像で紹介。

・「人」賢人ラウンジシアター

大隈重信、江藤新平など幕末佐賀出身の賢人が一堂に会したらという設定のラウンドシアター。

・「志」ことのは結び

来場者が楠の葉をモチーフにした「ことのは」に書いた一言がプロジェクションマッピング?に。「キングダム」でおなじみ佐賀出身の漫画家・原泰久先生や、著名な方の「ことのは」もありました。

(※グッズ売り場では原先生が描いた鍋島直正のクリアファイルとかも売られてます。)

 

などなど、佐賀出身の僕が言うのもなんですが、「これ本当に佐賀?六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーとかで見るやつだよコレ。」ってレベルの展示が並んでました。

東京出身の妻は「佐賀の幕末本当にこんなだったの?盛りすぎてない?」と半信半疑。まぁその気持ち、わからなくもないです。

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ガチャガチャもありました。ネタになるかと回してみたら、娘がメインパビリオンを当てました。

佐嘉神社の150ポンドカノン砲

次のパビリオン、リアル弘道館へは徒歩約10分。

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この炎天下なので妻と娘2人は父の車で先に行ってもらい、自分は取材をかねて歩くことに。

メインパビリオンの駐車場の道を渡ったすぐそこに、幕末の佐賀藩に技術革新と教育など様々な改革をもたらした10代藩主鍋島直正公を祀った佐嘉神社があります。

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ここには佐賀藩の手で日本で最初に鋳造され品川砲台に設置された当時最大の巨砲、150ポンドカノン砲(の複製)が…て、

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デカくない?!

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さっき見たやつより明らかにデカくない?

子供の頃にも何度か見てたはずですが、久々に見るとド迫力。佐嘉神社は毎年元旦にカノン砲神事があって、大晦日の夜、午前0時になると計8発の祝砲をドカンとぶっ放すそうです。

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神社の奥に進むと熱のこもったその他モロモロの資料と共にアームストロング砲も展示してあります。こんなちっさいのにカノン砲の何倍もの飛距離と命中力があるんだとか。

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しかし、こんな軍事力を持ってるのに直正公は薩長からの働きかけにも応じず、幕府からの援助申し入れにも応じず、「わが佐賀藩の砲は、日本人が日本人を殺傷するためにつくったのではない」とひたすら中立を守り続けたのでした。あまりに腹の底が読めないとついたあだ名が「肥前の妖怪」

最高気温37.7°C灼熱の散歩道

佐嘉神社の境内を抜ければ目的地エリアまでは徒歩7〜8分。

しかし、この日の気温は37度

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上京して気づきましたが佐賀県南部の夏の蒸し暑さは東京の比じゃないです。クラクラしながら会場の一つであるオランダハウスの先を右に曲がり、旧長崎街道をまっすぐ行くと目的地の旧古賀家があります。

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っていうか、佐賀市内にこんな歴史観残ってるエリアがあったんですね。

僕は別の市出身なんで全然知りませんでした。

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子供の成績が親の給料に響く伝説の藩校:リアル弘道館

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例によって内部の写真は撮れませんでしたが、ここ旧古賀家の中では大隈重信や江藤新平など、近代日本の礎を築いた偉人たちを輩出した藩校「弘道館(こうどうかん)」と、その学びを体感できます。

・弘道館の一日

マンガ風のグラフィックパネルに近づくと弘道館主席:久米丈一郎邦武の音声ガイド(CV:野田博史)で寮生活や藩主とのディベートなど弘道館の学びのシステムを紹介

・弘道館おもしろ体験マップ

テーブル上の平面図に触れると、敷地面積5,400坪あった弘道館の当時の様子がイラストで蘇る

・大隈重信メモリーズ

内閣総理大臣を2度務めた大隈重信が、弘道館で学んだ日々を振り返るミニシアター

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「藩政改革の成功の秘訣は人材の育成にあり」ということで開かれた弘道館。鍋島直正は藩士の子息全てを入学させ、身分に関係なく優秀な人材を役人にする仕組みを作り生徒の学習意欲を高めたのだそうです。ていうかですね、

 

ここでの成績が父親の給料に反映される

 

というエグいシステムを導入してたらしいんですね。そんで、25歳までに学問と武芸双方の合格基準に達しなければ役職につけないんだとか。

そんな展示の中で、弘道館教授古賀穀堂の言葉にガツンときたのでラグランパンチでポップに再現してみました。

教育予算 2

「誰でも勉強せねばならない。誰でも学校には入れるようにしないとならない。学館経費を減少してはならない。それどころか3倍にしなければならない」という当時としては画期的なものだったらしいですが、優秀な子供や人材を育てることに予算をケチったらいけないというのは現代も一緒なんじゃないでしょうか。

 

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外出て向かいの旧牛島家は売店になってて、万事屋銀ちゃん佐賀出張所ができてました。

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今回は回れませんでしたが、すぐ近くに葉隠みらい館もあります。本当は佐賀城本丸歴史館と大隈重信生家も行きたかった!

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大河ドラマ『西郷どん』に江藤新平参戦!

大河ドラマ西郷どんも後半戦。ついに大久保利道とバッチバチの犬猿の仲で、西郷隆盛とも接触があった江藤新平の登場です。

この人は最下層の出身から薩長が圧倒的権力を握っている新政府の中枢で司法卿になった超逸材。「江戸」が「東京」と改称されたのは彼と大木喬任の献言がきっかけです。

なんと最後は大久保の策略で正式な裁判にもかけられず斬首の上、晒し首(ほとんど見せしめ)にされます。明治なのに!

『肥前さが幕末維新博覧会』は、来年2019年1月14日まで開催中です。季節はこれから秋。暑さも弱まったら回りやすいと思うので9、10、11月の連休は歴史を感じる佐賀旅行なんていかがでしょうか! 美味しいもの(イカ、カニ、佐賀牛、豆腐)も温泉も日本酒もありますよ?

※掲載当初、一部の人名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(2018年8月26日)

▼この連載の過去作品は、ここをクリックすると読めます!

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Posted: |Updated:

Text by ウラケン

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