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ガザ侵攻は民族の罪なのか?ドイツで再燃する反ユダヤ主義

TV strassensound/YouTube

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イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区軍事攻撃は各国から激しい非難を浴びているが、ドイツではこれをきっかけとした反ユダヤ的言動の台頭が確認されている。

戦後ドイツのユダヤ人が迎えつつある危機

第二次大戦時のナチスによる迫害によりドイツからユダヤ人の大部が姿を消したものの、戦後には主に東欧から多くが移民として流入。現在およそ25万人のユダヤ人がドイツに在住しているとされる。

こうした戦後ドイツのユダヤ人は民族主義的言動を禁ずる法律により保障を得、他のドイツ国民と少なくとも表面的には安寧な共存関係の中に生きてきた。だがこの度のイスラエルによるガザ攻撃を契機とする一連の事件は、すでにこうした関係を打ち砕く火種となりかねぬ様相だ。

「私たちドイツに住むユダヤ人は悪しき時代を生きているといえます」と、ドイツ・ユダヤ中央評議会会長のディーター・グラウマン氏は憂慮する。「身の毛のよだつような反ユダヤ主義の衝撃を受けているのです」。

ドイツ各地でシナゴーグの襲撃が企てられ、イスラエルへの抗議デモでは「ユダヤ人をガス室へ!」といった叫び声まで飛びかう。かつてのホロコーストの記憶を蘇らせるような事態がその当国で発生しているのだ。それも今回はイスラム原理主義と結びついて。

「反イスラエル」が反ユダヤの火種に

もちろんアルカイダへの非難を諸国のイスラム教徒に浴びせるのが短絡的であるのと同様、イスラエルの軍事政策批判を反ユダヤ主義運動の足がかりとするのも不当なことだ。

「私たちは困惑し、私たちはショックを受けています」と、自身の祖父もガス室で亡くしたというグラウマン氏は語る。「ドイツの街中で、ユダヤ人はガス室に送られ、焼かれ、虐殺されよとわめかれても、それはガザやイスラエルの政策とはまちがいなく何の関わりもないのです」。

【写真】:「<イスラエル>はユダヤ人の代表ではない」といったプラカードを掲げ、両者の同一視に抗議するベルリンの人々。

こうした事態をガウク大統領やメルケル首相といった政治家も憂慮し、「自由と民主主義に基づく私たちの秩序を危うくしかねない」として決然たる対峙を呼びかけている。だが一般市民の理解は十分なものではない。グラウマン氏のもとにはすでにユダヤ系住民から、ドイツを去るべきでしょうか、ドイツに留まって未来はあるのでしょうか、といった相談が繰り返し寄せられるようになったという。

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