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ドイツの大学で存在感を増す中国人学生

Flickr_Sebastian Dorn

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飲食業を始め中国人の世界進出には華々しいものがあるが、ドイツの大学でも中国から集まる多数の留学生が注目を集めている。

外国人学生のうち最多数、人気は工学

ドイツの大学は基本学費が無料、しかも学問水準で評価が高い。そうしたわけで世界で人気の留学先となっているが、中でも多数を占めるのが中国からの留学生。現在ドイツの大学に籍をおく中国人学生数はおよそ25500人で、ドイツ学術交流会(DAAD)によればその数は数年来、他国出身者をしのぎトップを走っている(ちなみに日本人留学生数は2200人ほど)。学生の3分の2は母国の大学を卒業してからの修士課程入学者らしい。

彼らに人気の専攻は機械工学や電子工学に経済学といったいわゆる実学系。ドイツの工科大学の多くは中国の大学と交流協定を結んでおり、中国人学生の受け入れに積極的だ。その背景にはアジア市場拡大を目論む企業からの要請もある。各大学が特別に面談時間や相談プログラムを設けるなどサポートに力を入れ、ミュンヘン工科大学ではこの夏、「中秋節」祝いを大講堂で催しさえしている。

熱心な学習態度と手厚い支援

では実際の学生たちについて大学側からの評判はどうか? カールスルーエ工科大学機械工学科のカルステン・プロッペ教授は彼らの学習態度を「向学心が高く勤勉」と評価する。朝8時開始の講義のため教授が15分前に教室に入ると、もう中国人学生たちは席についている。他方ドイツ人学生たちはといえばたいてい定刻か遅れて姿を見せる。

ただしだからといって中国人学生のほうが成績優秀だとも言えないようだ。ドイツや他の欧州諸国出身の学生に比べより多くの手ほどきを彼らは必要としており、特に学位論文執筆の際にその差は顕著となる、とプロッペ教授。もっともそうした学生生活上の困難の支援に当たるグローバル・チャイナ・コネクション(GCC)というNPO団体がドイツの大学にも置かれており、異国の地での学生生活をスタートから補助してくれる。

諜報活動を懸念する声も

一方、この趨勢に注意を喚起するのは国内での反憲法活動調査に当たる連邦憲法擁護庁。多数の中国人学生によるネットワークの影でスパイ活動が遂行されているのでは、という懸念があるのだ。在ドイツ中国大使館は全ての留学生の所存を把握しており、彼らを集める会合を定期的に執り行っている。そうした際に見込みのある学生を選び、スパイとしてスカウトしている可能性もある、と同庁は警戒の意を表す。また中国人を実習生として雇う企業からも同様の懐疑の声を耳にする、とプロッペ教授。

なんにせよ中国人学生たちがドイツで不安なく大学生活を継続するには、ドイツ・中国両国の良好な関係が欠かせないようだ。

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