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5人に1人が移民の家系!開かれた大国ドイツの現況

Flickr_Martin Schmid

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先進国でとりわけ目立つ移民問題だが、ドイツでその人数について新たな調査結果が公表された。

5人に1人が「外来種」、最多出身国はトルコ

ドイツ・ヴィースバーデンの連邦統計庁調査によれば、昨年度ドイツ居住者総数の20,5%、つまり5人に1人にあたる1650万人が移民の家系に属している。この数値は前年比3,8%増しであり、2005年に調査が始まって以来最大の伸び率とのこと。調査は同国居住者から無作為に抽出された1%を対象とし、結果を総人口に換算したものだ。

ここで「移民の家系」と定義されているのは、外国人および1950年以降に移住してきた者とその子孫。その3分の1がドイツでの出生であり、3分の2が外国からの新たな移住者。6割に当たる970万人がドイツ国籍を所持し、残り680万人は外国籍。

出身地域については約70%がヨーロッパ、18%がアジア、3%がアフリカ諸国から。国別ではトルコ(12,8%)、ポーランド(11,4%)、ロシア(9%)出身が大部をなす。また、そのうち大半の96,6%が旧西ドイツ地域およびベルリンに居住しており、移民在住比率についても東西格差が顕著となった。

サッカー代表チームにも顕著な多民族主義、他方で右傾化への警戒も

すでに第二次大戦後の西ドイツ時代より、ナチス民族主義への反省からドイツは移民・外国人労働者を積極的に受容。以降、飛躍的な経済復興、生活環境や治安の良さ、教育や医療制度の充実といった諸条件がそろっていることもあり、世界でも人気の移住先であり続けてきた。

そうした移民やその子孫の活躍は、文化面ではトルコ移民二世の映画監督ファティ・アキン、シリア出身の作家ラフィク・シャミなどに見ることが出来る。だが最も目立つのはやはり今回の世界王者ともなったサッカードイツ代表チームの面々だろう。トルコ系のエジル、チュニジア系のケディラ、ガーナ系のボアテング、それにポーランド系のクローゼにポドルスキなど、「ゲルマン魂」なんて表現が浮いてしまうほど多民族な構成となっている。

今回の統計はこうした戦後ドイツの多民族政策の成果をはっきりとした数値で示すこととなった。もっともこの状況がネオナチなどの排外運動を駆り立て続けていることも周知の事実。異民族排斥の歴史を繰り返さぬために、政治家、メディア、市民にいっそうの配慮を促す調査結果とも言えよう。

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