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意外に知られぬ、ドイツ系アメリカ人の歴史と現況

Flickr_David Wright

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様々な出自の移民が占めるアメリカ合衆国だが、なかでも大部を占めているのがドイツ系アメリカ人である。

最多数ながら、民族グループとしては目立たないドイツ系

現在のアメリカ合衆国国民で、国家別出自の最大グループとなっているのがドイツ系アメリカ人。2013年の調査では国民の4600万人がドイツ出自と申告しており、これはアイルランド系の3300万人、イングランド系の2500万人を上回る数字である。

ドイツ系が設立したアメリカ企業も多い。製薬会社のファイザー、航空機のボーイング、ピアノのスタインウェイ、ジーンズのリーバイス、ケチャップのハインツなどだ。その他、クリスマスツリーやイースターウサギ、プレッツェルやホットドッグ、オクトーバーフェストなどもドイツからの移民が持ち込んだ。

ただし「イタリア系」や「ギリシャ系」などと異なり、彼らの多くは「ドイツ系」として意識されることが少なく、ジョン・ベイナーやランド・ポールといったよく知られた政治家も、祖先がドイツ出自であることに特に関心は持たれていないようだ。

現在の成功も、2度の大戦で激しい非難を被る

ドイツから移民が押し寄せるようになったきっかけは、1848年の三月革命の頓挫らしい。その後、記事第一次世界大戦期の反ドイツ語熱と、英語帝国主義の勃興で紹介したように、第一次大戦中にドイツ系はアメリカで激しい迫害を被った。彼らの多くはドイツ語を話すことをやめ、英語風に改名した。第二次大戦時の国内での迫害はそれに比すれば穏やかなものだったが、ナチスの蛮行がドイツ系の出自を恥じさせるものとなった。

今日、ドイツ系アメリカ人は明らかに成功を収めているグループである。所得、学歴、雇用といった面で、他の民族グループに優る成果を挙げている。ただし「ドイツ系」といっても彼らのほとんどは家庭でも英語しか喋らず、また他の民族グループと異なり自分たちのネットワークや会合を作ってはいないという。

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Text by 宮城保之

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