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【ドイツ】子どもの手書き能力衰退に教師たちが警鐘。筆記試験に耐えられない生徒も

Flickr_dotmatchbox

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パソコンやスマホの浸透で手書きの機会は減る一方だが、ドイツでは学校教師が生徒たちの筆記能力の衰退に警鐘を鳴らしている。

手書きが苦手で試験に耐えられない生徒も

ドイツ教師連盟がヘロルドスベルク筆記運動学研究所と共同で行ったアンケートによれば、ドイツの小学校教師の83%が、子どもたちの筆記能力がこの数年で大きく衰退したと答えている。その結果、高等学校以降の課程で、30分を超える筆記試験に耐えられず、途中で手のひきつけを起こしてしまう生徒もいるという。

「筆記を学ぶことはまずもって動きを学ぶこと」、と筆記運動学者クリスティアン・マルクヴァルト氏は述べる。現在の子どもたちにはそのトレーニングの機会が失われているのだ。アンケートの結果を受け、ドイツ教師連盟代は早速、国内各州の文部相に手書き教育の見直しを要請した。

手書きは記憶や思考能力とも関係する

筆記能力の衰えは、さらに言語能力にも影響する。実際、ドイツの初等教育課程で必修とされる基礎語彙を問うテストの結果も劣化傾向を見せているという。読むだけでなく手を動かして書くことは、記憶の助けともなる。だが近年は目だけで学ぶ子どもが増えたことで、言語能力をはじめとする学習能力の衰退が懸念されているのだ。

ドイツでも初等教育課程からのデジタル機器導入が議会により要請されているが、このように教師のほうでは手書きの見直しを求める動きが起きている。「手書きの際は良く考えてから書きますから、思考能力も鍛えられるのです」、とザクセン州の文部相であるブルンヒルト・クルト氏は述べる。同州の小学校ではすでに、卒業までに全ての生徒が滞りなく筆記が行えるようになるよう言語教育プログラムを組んでいるそうだ。

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Text by 宮城保之

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