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ネットで人気の“永遠の子猫”リル・バブ。その遺伝学的秘密に科学者が挑む

Lil Bub/Facebook

Lil Bub/Facebook

「リル・バブ」をご存知だろうか。

先天的障害により成長が妨げられて体が小さく、また下顎がほとんど無く歯が生えていないため舌を常にペロリと出している特徴ある猫である。

このリル・バブ、その愛嬌ある容姿や仕草からインターネットを経由して世界中の注目を集め、Facebookページはいまや194万人の「いいね!」を獲得。写真集や映画まで作られる人気ぶりだ。

その人気猫リル・バブの先天性障害に、ドイツの科学者が医学的見地から興味を示しているという。

リル・バブのDNAから変異の謎を解く試み

その科学者とはベルリン・マックスプランク分子遺伝学研究所のダニエル・イブラヒム氏らのチーム。

氏らはリル・バブが成長を妨げている骨粗しょう症の他、多指症をも患っていることに着目する。つまり普通の猫より一本多い六本指の猫なのだ。

イブラヒム氏によれば、この骨粗しょう症と多指症は人間にも見られるが、リル・バブのように一つの個体で両者が併発するのは前例が無いという。

リル・バブのゲノムのシークエンシングを行い、一般の猫と比較することで、この突然変異の遺伝学的要因を解明できるのではないか。

うまくいけば、治療法を見つけ出せるかもしれないという目論見だ。

ファンから資金を集め、成果を公開

リル・バブの人気を鑑みて、イブラヒム氏らはこの研究過程を可能な限り公表していきたいとの考え。

研究資金もクラウドファウンディングで集め、研究者、猫好き、リル・バブファンのグループなどの支援により、今月19日にすでに必要とされる6500ユーロを得ることが出来たという。

リル・バブの飼い主であるアメリカの音楽家マイク・ブリダヴスキー氏は、研究者たちにリル・バブの血液を送り、現在はシークエンシングの準備のため研究所で冷凍保存されているとのこと。

調査は数週間を要するようだが、どのような成果が得られるか注目されるところである。

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Text by 宮城保之

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