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ラーメン、カレー好き必見!麺処直久が 赤字を出してでも「華麗なるスパイスそば 初夏の香り」を発売する理由

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ラーメンを食べていないと、生きている実感が薄くなる。新しい街に行けばラーメン店を探し、外食のファーストチョイスはラーメン。私やったー麺は本気でラーメンが好きだ。

私は食べ手として本気でラーメンを食べに行く。作り手にも本気でラーメンを作って欲しいと思っている。

だからこそ、マーケッティングの理論で商品が作られ、職人のこだわりや哲学が感じられない量産型のラーメンを作るチェーン店はあまり好きになれない。チェーン店=悪。こういった図式を描くマニアは少なくない。

しかし、今回、プレスリリースの「赤字覚悟」の文字を見てチェーン店のラーメンながらどうしても食べてみたいラーメンを発見した。

麺処直久の「華麗(カリー)なるスパイスそば 初夏の香り」だ。このラーメンは麺処直久がDJをしながら全国を巡り、年間500杯のラーメンを食べる須永辰緒氏に開発費を含め赤字覚悟の原価率無視でカレーラーメンを依頼し、作ったものだという。

私はこういった企業の売り文句に何度も裏切られてきた。それでも今回のラーメンは食と音楽に本気で向き合う須永辰緒氏が作るラーメンだからこそ食べてみたかった。一記者としてではなく、ラーメンオタクとして試食会に”参戦“してきた。

作り手のこだわりがビシバシ伝わってくる

今回の試食会場である麺屋直久新橋店に到着。場所は新橋駅の地下ウイング新橋名店街にある。
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店内には記者が集まっている。絶対他社には負けない記事を書くことを心に誓う。

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カウンターには、ラーメンのスパイスが並べられていた。

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麺処直久のラーメンに使う名古屋コーチンは首が取られた状態で置かれていた。

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今回のスパイスの肝となるカスメリティ。インドでは定番の甘い香りがする香辛料だが、扱いが難しいため、日本で使われることは少ない。酸味やトマトに合うようだ。

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ついにライスがセットになった「華麗なるスパイスそば 初夏の香り」が登場。テーブルに良い香りが広がった。

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食べた瞬間、カレーラーメンの常識を覆された!

香味油の赤、ラーメンはスープの茶、枝豆やアボカドを足したジュレの緑、卵の黄色とねぎの緑が色鮮やかだ。

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早速スープから食べてみる。なんだこれは!カルダモンやクミンの香りに名古屋コーチンの旨み、味噌の旨味が今までにないバランス感で融合している。三ノ輪のトイボックス、駒込のカボちゃんといったインド系のスパイスを味噌ラーメンに混ぜるお店も増えているが、それとも違う。

本格的なインド料理店で感じることがあるあの味はカスメリティなのか?既製品のカレー粉をスープに混ぜてカレーラーメンとして提供するお店もあるが、このラーメンは本格的なカレーの風味がする。

赤い部分からは唐辛子などの辛みが感じられるが、見た目ほどには辛くなく、市販のカレーで言えば中辛よりもちょっと上くらい。香味油がある部分とない部分で味が違うので、その違いを楽しむのも良し!

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今回のラーメンのために開発した太麺は、スープに負けない存在感。モチモチとした食感で、スープに良く絡む。

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ジュレを溶かすとスープに独特のコクが加わり味が変わる。「ラーメンは同じ味を食べ続けないといけないから好きではない」という人もいるが、このラーメンは香味油の分量で、スープの味が変わり、ジュレを溶かすことでも味が変わるので飽きずに食べられる。

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もちろんカレー風味のスープじゃごはんと一緒に食べても最高!辛味・旨味が強くないので、塩味がきつ過ぎることもない。

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デザートで出てくる杏仁豆腐はさっぱりとした味。チェーン店の杏仁豆腐にはがっかりさせられることが多いが、甘過ぎずしっかりと杏仁の味が感じられた。

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年間500杯食べる須永氏が原価を無視でラーメンを作る

試食を終えたところで、今回のラーメンに関する質問を須永辰緒さんにぶつけてみた。

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やったー麺:須永さんのラーメン原体験を教えてください。

須永:栃木県の佐野市出身なので、青竹打ちのピロピロした麺の佐野ラーメンは毎日のように食べていました。大きくなってからあの麺以外を食べた時に軽くショックを受けたくらいです。

やったー麺:今回は赤字覚悟ということで、かなり議論や試作を重ねられたかと思います。開発の際のエピソードを具体的に教えてください。

須永:おいしさを目指して原価率無視でこだわってしまうので、スパイスや枝豆とチャービルのジュレ、チャーシューの改良など、チェーン店の制約などは度外視させていただいた直久さんの懐の広さに本当に感謝しています。

直久社長と一緒に北海道まで視察に行き、実際に味噌ラーメンやスパイス系など食べに行ったことも含め嬉しい仕事です。開発者とは10回ほどお会いして試作を繰り返しました。料理長は20回以上試作を行ったようです。

やったー麺:このラーメンでこだわったところを教えてください。

須永:辛さよりも、数種類アレンジすることにより重層的かつユニークな香味油の為のスパイス作り。コクを出すための、直久さん独自の名古屋コーチンのスープに加え味噌や鶏白湯をアレンジしてもらいました。爽やかな味変とルックスの色彩効果を加えるための枝豆とハーブのジュレは発売直前に考えました。

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やったー麺:須永さんというとカレーのイメージはあまりないのですが、どのようなお店 で食べられますか?

須永:今回のラーメンを考案するために「カリー番長」にスパイスの教えを乞いまし た。カレーラーメンは室蘭で以前食べたことがあり(カレーラーメン発祥の地 とも言われてます)ずっと興味を持ってました。

やったー麺:イタリアンレストランで働いた経歴があるとお伺いしたのですが、その技術はラーメンに活かされていますか?

須永:イタリア料理といえばトマトですが、昆布など同様にグルタミン酸が多く含まれています。そのせいか日本人はイタリアン好きと言われてます。包丁使いやオペレーション、味の組み立て方やルックスの調整など、料理の基本技術はそこで学びました。

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やったー麺:須永さんは東京ウォーカーに連載を持ってらっしゃるので、いろいろなラーメン店に取材に行くことが多いと思います。取材で得たノウハウは今回のラーメンに活きていますか?

須永:僕が取材した名店には、原価は二の次で自分の味の追求をしている職人肌の店主ばかりがいました。さらには寝る間も惜しまずさらに高みを目指す方ばかり。その姿勢には完全に影響されてます。

料理の経験があり、ラーメン屋の経営を検討している須永辰緒さんのラーメンに対する心意気はやはりガチだった。

若いお客さんを取り込みたい、赤字でも構わない

さらには今回の料理を担当した直久料理長の樋口さんに話を聞いてみると「今回のラーメンは原価を無視し、本当に美味しいものを作ろうと須永さんと一緒になって作り上げました。私たち外食のプロから見ても須永さんの見識は相当なもので、カスメリティを入れることを提案してくださったのも須永さんです」とのこと。

今回のラーメンの心意気を聞いてみると「私たちのお店のレギュラー商品はあっさり目の商品が多いため、やや年齢層が高いのが現状です。今回新たなお客様、特に若いお客様を呼び込みたいということで須永さんとのコラボラーメンを開発しました。原価率は50%以上ですが、研究開発費なども入れると赤字に迫る勢いです。私たちの本気のラーメンを食べて頂ければ幸いです」とのこと。スープはお店で仕込んでおり、仕上げにカスメリティを入れているという。

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開発担当の樋口さんも、須永さんと同じくイタリアレストランで働いた経験を持っており、なにか須永さんと通ずるものがあったようだ。

大量仕入れで値段を抑えることができるチェーン店ということを考えると、980円のラーメンは決して安くはない。しかし、私にとってこのラーメンは980円を出して自費でも食べたいラーメンだった。

華麗(カリー)なるスパイスそば 初夏の香は4月26日から5月31日まで直久の店舗(一部除く)で期間限定販売。熱くなるこの季節にぜひ食べてもらいたい。

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華麗(カリー)なるスパイスそば 初夏の香り

須永辰緒

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