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【取材】ミシュラン店の板前の修業は3か月!飲食人大学が経営する「鮨千陽」はなぜ業界の常識を打ち破れたのか?

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寿司職人は「飯炊き3年握り8年」と言われている世界で、一人前になるまでに長い時間がかかることが常識だった。

そんな業界の常識にとらわれず、3か月で現場に立てる寿司職人になり、系列店の「鮨千陽(ちはる)」で働くこともできるのが飲食人大学の「寿司マイスター専科」だ。

このコースでは市場での買い付け・目利き・さばき・握り・立ち居振る舞いまで 実践的な職人技術を学ぶことができ、卒業後即戦力として現場で働くことを目指している。

革新的な授業スタイルと、お店の味が気になったので話を聞いてみることにした。

なんで3か月で現場に立てるの?

まずは飲食人大学大阪校に行ってみることに。場所は大阪市中央卸売市場本場の近くにある。

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現場を見学させてもらったところ、その日はぶりなどをさばく授業を行っていた。生徒は全部で15人ほど。寿司店オープンを目指し、韓国から日本に寿司を習いにきた人もいる。男女比は半々くらいだ。

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通常専門学校であれば1年ほどの実習期間が必要だが、飲食人大学の授業は3か月。

受講期間が短い理由を講師の星川貴浩さんに聞いてみると「うちの学校は座学はほとんどなく、実習に重きを置いているので短期間で技術の習得が可能なんです。今の時代はYouTubeで見て実技を覚えるという方法もありますが、実際に生で見てやってみるという方法を私はオススメします」と話してくれた。

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どういった人が伸びるかを聞いてみると「料理経験はほとんど関係なく、自分の店を持ちたいとか、明確な目的意識を持っていてやる気がある人は成長が早いですね」とのことだった。

鮨千陽のコースを食べてみた!

飲食人大学を卒業した生徒は100%ではないが、大阪の福島駅の近くにある系列店の鮨千陽で働くことができる。

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昼のコースは11:00~と12:30~の2回、夜のコースは17:00~ 、19:00~ 、21:00~、2階は18:00~、20:30でそれぞれの時間帯を板前が一人で担当する。

鮨千陽は実践トレーニングの場を兼ねており、お店全体で1日7回板場に立つ機会があるので、従業員の成長速度も速い。

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大阪市中央卸売市場から仕入れた魚を使い、3か月間みっちり実習を積んだ元生徒が握る寿司はミシュランの折り紙付きだ。

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今回は9貫の握りが出てくる昼のコース(2800円、握り9貫、留椀付き)を注文。ちなみに夜のコースは3500円(前菜3種、お造り2種、握り9貫、留椀)と7000円(前菜3種、お造り2種、一品物、握り10貫、留椀)の2コースが用意されている。

細かく切れ込みが入ったイカ、漬けにしたマグロ、甘みがあるエビなど、ひと手間加えた江戸前の寿司が提供される。

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仕込みの関係で昼は出てこないが、夜の時間帯はケラ焼きを楽しむことができる。40分以上かけて作られるこの一品は、素人が真似するのはなかなか難しい柔らかな食感だ。

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ひと手間加えた寿司がランチで2800円、夜は3500円という値段はかなりお手頃と言えるだろう。

提供する際、スタッフさんから寿司に関する説明もある。訪れた日は韓国人のお客さんがカウンターを囲んでおり、スタッフさんが英語を交えて説明を行っていた。

多数の経歴を持った人が活躍!海外で活躍する人も

鮨千陽では現在店舗ではスイス人のハーフの職人さんや、社会人を経験した後に寿司職人を志した人など様々な経歴を持つた人が板場に立っている。

今回、食事をした際に板場に立っていた男性の竹口さんと、女性職人の中原さんにお話を聞いてみた。竹口さんはもともと和食の職人をしていた経歴を持っており、寿司職人を志し飲食人大学に入学。一度和食の飲食業界で働いていたからこそ、卒業後すぐの10代や20代で板場に立てることの異例さやメリットがよくわかるという。

「飲食人大学の授業は講義がほとんどなく、実践形式の授業がほとんどだったので、さばける量が多いのが良かったです。飲食人大学を卒業した後に入社した千陽では、すぐに板場に立てるので覚えながら技術が上達するのが凄くいいですね」とのことだった。

女性職人の中原さんは竹口さんとは違い、料理未経験の状態で飲食人大学に入学。もともと運動を長くやっていたこともあり、動きを覚える要領がよく、上達のスピードも早かったそうだ。

短い期間で実践の場に立てることも非常に魅力的とのことで、「社会人を経験しているので、勉強し直して働くまで1年間働く期間を空けてしまうのは不安でしたが、3か月の研修の後に、すぐに現場に立てて働けるというのはとても魅力的でした」とのことだった。

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設立者の想い

最後に、飲食人大学の宇都学校長にこの学校にかける思いを聞いた。飲食人学校を作ったきっかけは「前職や前身の会社を含め、10年間で全国3万人以上の飲食関係者の方々のサポートをする中で、もっと技術を付ければキャリアを積めると思うことが多く、問題を解決するために学校を作りました」とのことだった。

実際に学校を開いてみると、飲食関係者だけでなく、学校の先生やSE、スポーツ選手などの異業種のキャリアチェンジを見据えた人も多く入学し、飲食にチャンスや未来を見出している人が多いことが実感できたそうだ。

今後は「寿司や日本食の料理人がグローバルで増えいくと思います。日本人の料理人が今まで以上に海外で働くことが多くなり、外国人が海外で日本食のお店を開いたり、日本で外国人がお店を開くケースなども増えていくでしょう」とのこと。

宇都校長はそういった日本食がグローバル化していく現状を鑑みて「すでにシンガポールにも千陽の店舗がありますが、飲食人大学の生徒が海外で働けるように店舗を増やし、海外でも外国人に寿司や日本料理の技術伝承を行うため、飲食人大学をFC展開していきたい」とのことだった。

今後日本や世界中のいろいろな場所で、飲食人大学出身の生徒が活躍する機会が増えていきそうだ。P2790023

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